2007年6月11日月曜日

リュシータ

ボクちんは飛行機が嫌いである。
今更言うほどもないくらい嫌いである。

人間は大空を飛ぶようにも、浮くようにも作られていない。
だいたい、飛行機に乗ると離陸前から爆睡を始めて、
着陸するまで全く起きない人間がいるが、
ボクちんの目から見ると奴らは既に人間ではない。

てゆうか、よくもまああんな鉄の塊が空中に浮くのを信じられるもんだと思うし、
あんな密閉空間で、もし何かあったら助からないのに平然としていられる、
太平洋横断ベルトくらい太い神経にも愕然とするナリ。

高度一万メートルで機体がバラバラになったらどうしますか?
ボクちんは座っているシートから足元を眺めると、
豊かな想像力が働き、筐体を透明化して大空が見えてしまうわけですよ。
鳥肌立つどころか、股間に涼しい風が吹き抜けて、
ナニが縮み上がる程の恐怖を感じてしまうナリ。
仮にそんなことになったら出来ることはひとつ、まずはシートベルトを外し、
大空を泳いで姿勢を制御し、気を失って落下する周囲の乗客から服を剥ぎ取り、
袖を繋ぎ合わせてパラシュートを作るしかない。
そう考えていつも離陸前には
アイツの服は良く風を受けそうだな(ニヤリ)」などして
なんとか気分を落ち着かせようとするボクちんがいる。

更に言えばパラシュートが積み込まれていないのもどうかしてる。
大空でトラブルがあった際に、ボクちんくらい生命力に溢れている男は別として、
それ以外の511人は、何も出来ずにその命を失うことになる。
せめてパラシュートがあれば、
「お客さま、当機は間も無く大爆発して粉々になります。
足元のパラシュートを装着し、各自大空へ飛び出してください」
と、最後は乗客のスキルに生死を託すことが可能になるのだ。
当然だろう、クソ高い航空券代を払った挙句に、
生存率ほぼ0の乗り物なんぞに乗っていられんわ。
乗り込んだ直後に機内放送で説明されるライフジャケットだって、

1.機体にトラブルがある(空中分解しない程度の)
2.無事に高度を下げられる
3.滑走路ではない場所に不時着成功する
4.不時着地が水の上だった

というこんなボクちんが大好きなキーラ・ナイトレイと
恋に落ちるくらいありえない確率でしか使えないのである。
ぶっちゃけ「積む意味あんのか?」と大声で言いたい。
挙句、落ちた海が荒れた大間岬だったりしたら、
そもそも死ぬわ!サメとも戦えねえだろ!!
はぁはぁ…つい興奮した。

まあ、飛行機に言いたいことは山ほどある。
折を見てまた書いていこうと思うナリ。

で、前置きが長くなったが(長すぎだろ)札幌出張に行ってきた。
今回は独りではなく(チッ)会社の同僚K君が一緒だ。
ボクちんの飛行機嫌いは周囲の人間には広く知られているので、
当然このK君も同様で、更に言えば
「ぶっちゃけ、naonyさんの話聞いてると、
こっちまで飛行機の恐怖が伝染するんですが…」と
目元を伏せがちに言うイケメンGUYだ。
早速飛行機に乗り込み、機体空中分解時の備えとして、
K君の衣服剥ぎ取り計画を立てつつフライト。
まあ、離陸の際はどうしようもない恐怖に駆られるものの、
飛行中は比較的揺れも少なく、ボクちんとしては会話相手もいたので、
さほどこう妙な挙動とかしなかったと思うんだよね(急にフレンドリー)。

ところが着陸してから「今日はほら、君も隣で安心だったでしょ?」と得意げに言ってみたが、
「え…いや、話の真っ最中なのに機体がぴくっとするたび、
naonyさん全身硬直してましたけども」
「嘘だ!俺は今日は普通だった!」
「いやいや、てか機内で話してた内容覚えてますか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」

さすがボクちん!
濃い目のグラサンしててもキャビンアテンダントに
「お客様、大丈夫ですか?」と言われる男!
心底、飛行機が嫌いナリ。
すすきのが無ければ出張などするものかッ!(仕事は?)
そう天空の城ラピュタに登場するリュシータ・トエル・ウル・ラピュタも言ってたぢゃないか
人は土から離れては生きられないのよ!」と。
というわけで、とにかく飛行機など無くなってしまえば良いのにと思う34歳の初夏。

0 件のコメント: